お盆とは何か(禅寺僧侶による解説)

この記事は禅寺僧侶の立場から、お盆について解説します。

お盆とは何か

教科書的には、

お盆の正式名称は、盂蘭盆会(うらぼんえ)です。「盂蘭盆」はサンスクリット語のウランバナ(ullambana)が語源とされています。
一般には、倒懸(とうけん)逆さ吊りの苦しみ、を意味すると説明されます。つまり、苦しみの中にある者を救うための供養という意味です。

ただし現在の日本のお盆は、仏教だけではなく日本古来の祖霊信仰が融合しています。そのため、迎え火・送り火・精霊棚などは、純粋な仏教というより日本独自の発展です。

そして今では、ご先祖様や亡き人を供養するための仏教行事、となっています。

しかし本来は、単なる先祖供養ではなく、功徳を積み、その功徳を回向(読経や供養で得た功徳を、故人やすべての人々へ向ける行為)する行事とされています。

なぜお盆が始まったのか

目連(もくれん)尊者は、お釈迦様の十大弟子の一人です。ある時、神通力によって亡き母の様子を見ると、餓鬼道で苦しんでいる姿を見つけます。驚いた目連は、食べ物を届けようとします。しかし、食べ物は炎になり、母は食べることができません。そこで目連はお釈迦様に相談します。

お釈迦様は、修行僧たちへの施しを行い、その善行の功徳を母へ向けるよう教えました。目連がその教えを実践したところ、母は苦しみから救われたと伝えられています。これがお盆の由来とされています。

お盆はこのインドで生まれた仏教の物語が中国へ伝わり、さらに日本古来の祖先を敬う文化と結びついて現在の形になりました。

そのため、お盆は単なる仏教行事ではなく、日本人の祖先観や家族観が色濃く反映された行事とも言えます。

なぜ先祖を迎えると言うのか

お盆には先祖の霊が家へ帰ってくると考えられてきたため、ということになります。日本には古くから祖霊信仰がありました。
亡くなった人は完全に消えるのではなく、一定の時期に子孫のもとへ戻ってくると考えられていました。そのため、お盆ではご先祖様を迎えるという表現が使われます。

そして実際にお盆には御先祖様は戻って来られます。ただし条件があります。ひとつは御位牌があること、御位牌があるところに戻ってこられます。御位牌がなければ戻られません。もうひとつは、五十回忌まで戻って来られるということです。五十回忌を過ぎた御先祖様はレベルがまた一段上がるためお盆に戻って来るような存在ではなくなります(御加護は引き続きあります)。
霊体エネルギーとして四十九日までの存在のようにこの世にある意味、形ある存在として戻って来られます。お供え物をして楽しく過ごして頂くと最も良い供養になるのではないかと思います。

まとめ

お盆は、ご先祖様を供養する日本の代表的な行事です。

その起源をたどると、仏教に伝わる目連尊者の物語があり、さらに中国の祖先供養文化、日本古来の祖霊信仰が重なり合って現在の形になりました。

そのため、お盆は単なる仏教行事ではなく、日本人の祖先観や家族観が色濃く反映された文化とも言えます。

お盆とは亡き人のためだけの行事ではないと思っています。

お墓参りをし、仏壇に手を合わせ、家族で故人の思い出を語る。

そうした時間の中で、私たちは改めて自分が多くのご縁の上に生かされていることに気づかされます。

お盆が千年以上にわたって受け継がれてきたのは、ご先祖様を偲ぶためだけではなく、生きている私たち自身が感謝の心を取り戻し、自らの生き方を見つめ直す機会でもあったからではないでしょうか。

また、あの世でレベルを上げ続けている御先祖様を迎えることにより、現世での私たちの波動も上がり、家運や自分自身の生活にも良い影響があることも、千年以上も続いている文化になっている一つの要因かもしれません。

【御参考】
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・供養とは何か

-法要・年中行事